- 心臓は全身に血液を送り出す生体ポンプです
- 血液の流れをつくるため、左・右心室の出入口にはそれぞれ心臓弁がついています
- 心臓は毎日休まずに10万回も動いています
心臓とは
心臓はみなさんの胸のほぼ中央にあり、大きさはこぶし大の筋肉でできた臓器です。
心臓の筋肉(心筋)が収縮して心臓の内腔が小さくなったり、心筋が弛緩して内腔が大きくなったりすることによって血液を送り出されており、これによって心臓は生体ポンプとしての役割を担っています。
2種類のポンプ
心臓には肺以外の全身の臓器に血液を送る『左心室』と肺に血液を送る『右心室』という2種類のポンプを備えており、左心室と右心室には入口(流入路)と出口(出口)には逆流を防止するための心臓弁がそれぞれついています(図1)。
左心室の流入路についている心臓弁は『僧帽弁』、流出路についている心臓弁は『大動脈弁』と呼ばれています。
また右心室の流入路についている心臓弁は『三尖弁』、流出路についている心臓弁は『肺動脈弁』と呼ばれています。
これらの心臓弁が心臓の拍動に合わせて協調して動くことによって、全身の血液の流れ(血流)を一方向に保つことができます。
例えば左心室では心臓に血液が流入するタイミング(拡張期)に大動脈弁が閉じるとともに僧帽弁が開くことによって左心室に血液を貯めることが出来ます。
そして、血液を拍出するタイミング(収縮期)に僧帽弁が閉じると同時に大動脈弁が開くことで、左心室に貯められた血液を一気に大動脈の方向へ流していくことが出来ます。
血液の流れ方
つぎに、心臓を起点とした血液の流れ方を説明します。
まず、左心室から酸素を十分に含んだ血液(動脈血)が動脈を通じて全身に送り出されていきます。
動脈血が脳・消化管・腎臓・全身の筋肉・冠動脈(心臓の筋肉に血液を送る血管を指します)などに到着すると、各々の臓器で酸素や栄養分がゆきわたっていきます。
そして、酸素の換わりに二酸化炭素を受け取ります。各臓器で酸素と二酸化炭素を交換した後の血液(静脈血)は静脈を通じて心臓の右心室に戻っていきます。右心室は心臓の中で左心室の動脈血と混じり合わないように隔別されており、静脈血は右心室から肺に送られていきます。肺に到着した静脈血は、二酸化炭素と酸素を交換して動脈血となってから心臓の左心室に戻っていきます(図2)。
心臓は毎日休むことなく拍動
心臓は毎日10万回も休むことなく拍動しており、心拍数は環境や感情や運動などによって大きく変化します。
運動した後や感情的に興奮しているときは、交感神経が亢進することによって、心臓の動きは活発になり心拍数は多くなります。
一方、家などでリラックスしているときや感情が穏やかなときは、副交感神経が亢進することで心臓の動きは落ち着くため心拍数は少なくなります。
このことから、一般的に心拍数は1分あたり50~100拍が正常と言われており、平均すると1分当たり約80拍程度となります。
心臓から拍出される血液量は1回あたり60 ml前後(タバスコ約1本分)ですので、1分間で心臓から拍出される血液量(心拍出量と呼びます)は約5 Lとなります。