末梢動脈疾患とは

下肢疲労のイメージ画像

末梢動脈疾患とは主に下肢の血管の動脈硬化が進み、血管が細くなったり、詰まったりする疾患です。
高齢化や生活習慣の変化によって動脈硬化となる方は増え続けており、特に男性の中高齢者では末梢動脈疾患となるケースがよく見られます。

血流が悪くなることに伴い、歩行時に足が痺れたり、痛みが生じたり、足が冷えやすくなったりします。
進行すると、安静にしていても痛みが生じるようになります。
さらに、重症になると下肢の組織が壊死していき、足を切断しなければならないケースもあるのです。

この病気は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などを頻繁に合併することでも知られています。
足の痺れなどが生じた際は、心臓などにも何らかの障害が発生している可能性がありますので、お早めに循環器内科を受診するようにして下さい。

主な検査方法

まずは詳細な問診を行います。その際に、足の皮膚や筋肉の状態、色調、潰瘍の有無、痛みの状態などを調べます。
聴診器を用いて血管の雑音も聞くこともあります。

その上で、足関節上腕血圧比(ABI)の測定、血管エコー検査、運動負荷試験、動脈造影検査、CTアンギオグラフィ、MRアンギオグラフィなどを行います。

ABIは、足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値です。
数分で行える痛みもない簡単な検査であり、この値が低いときは、末梢動脈疾患の可能性が高くなります。

超音波を血管に当てる血管エコー検査は、動脈硬化の進行状況を把握する上でとても役に立ちます。
また、運動時にどのくらいの歩行障害が起こるのかを把握できる運動負荷試験、ヨードの入った造影剤を注入して動脈の形態を調べる動脈造影検査などもよく行われます。

末梢動脈疾患の治療法

この疾患は下肢の血流が滞っていることによって引き起こされますので、まずは血液の流れを回復させることが大切です。
具体的には、薬物療法と運動療法、カテーテル治療、バイパス手術などを検討します。

薬物療法では、アスピリン、シロスタゾール、チクロピジン、ベラプロスト、サルボグラレート、リマプロスト、エイコサペンタエン酸などを選択的に使用し、足の血流を回復させていきます。

運動療法は、足への血流を増やすとともに、血液中の最大酸素摂取量を高めることを目的として行います。
但し、負荷が強いと逆に弊害が生じることもありますので、専門医のアドバイスを受けながら運動プログラムを実践するようにして下さい。

薬物療法や運動療法で十分な改善が見られない場合は、できるだけ早期に血管カテーテル治療を検討します。
これによって血管の狭窄や閉塞病変を直接広げ、下肢の血流を安定的に回復させる効果が期待できます。
最近ではカテーテル治療の技術的な進歩によって、早期治療を行うことで良好な結果を得ることができると報告されています。

カテーテル治療が難しいケースでは、人工血管などを用いたバイパス手術を検討することとなります。