テレビの前で長時間座っていることが健康に悪影響を与える可能性【長時間テレビ ≠ 健康?】

  • 2019.07.31

こんにちは、東京都中央区で循環器内科を診ております、東京心臓血管・内科クリニック院長 柴山です。この度、テレビの前で長時間座っていることが心臓の健康や寿命に悪影響を与える可能性があると米国の研究で示されたのでご報告いたします。(Journal of the American Heart Association. 2019;8. https://doi.org/10.1161/JAHA.118.010406

この研究では、アメリカ人の成人3,592人を対象としてそれぞれの行動パターンと心疾患の発症や予後を調査しています。すべての人々のうち、約1/3は1日に4時間以上テレビの前に座って視聴していました。また、他の1/3は1日に2~4時間はテレビの前に座って過ごし、残りの1/3はテレビの視聴時間が2時間未満でした。

テレビの前で多くの時間を費やした人たちは、非活動的、過体重、喫煙者、大量飲酒者、低賃金、不健康な食事をする傾向にあるといった特徴もありました。また、これらの人たちは多くに高血圧を認めていました。

今回の研究で調査された人たちは、平均8.4年間にわたって経過が観察されました。この期間中に205人が亡くなり、129人に心臓発作や脳梗塞などのイベントが発生しました。とくに、テレビの前で4時間以上過ごしていた人たちは、テレビの視聴時間が毎日2時間未満の人たちと比較して、死亡または心血管イベントが発生する可能性が49%も高かったことが分かりました。

ここでひとつの疑問が生じます。テレビを見ることは、直接健康に影響しているのか、あるいは間接的に影響を及ぼしているのでしょうか?

まず直接の原因として考えられるのは、テレビを長時間見てしまうことによって健康に必要とされる適度な運動をする時間がなくなってしまうことです。適度な運動と心臓に生じるイベントや予後の改善については前にご報告いたしました。(中高年の成人が運動を継続することは長寿に関連【運動=心血管死リスク低減】)この運動時間の減少にともなって、直接心疾患のリスクや予後を悪化させる可能性があります。

つぎに、間接的な原因として考えられるのは、テレビの長時間視聴にともなった間食や夜更かしによる睡眠不足によって健康に悪影響を与えたことです。睡眠不足や不摂生な間食は体重増加の原因となり、心臓病の他のリスク因子に寄与するため予後を悪化させた可能性が考えられるためです。

その他にも要因は複雑に絡み合っていると考えます。いずれにしても、長時間座って テレビを見ていることが健康に良い影響を与えないことがわかりました。このような情報も皆様のご健康に役立てていただければ幸いです。

文責:柴山 謙太郎

PAGE TOP