旅行や帰省後に足が痛む?エコノミークラス症候群
- 2023.12.27
こんにちは、看護師の堀井です。
あっという間にクリスマスが終わり、年末ムードになりましたね。みなさん、年末の計画はお決まりですか?
今回は、帰省や旅行での長距離移動のみならず自宅でゆっくり~の方にも気を付けていただきたい「エコノミークラス症候群」についてです。エコノミークラス症候群がどのような病気なのか、そして当院でどのような検査ができるのかをお伝えしていきたいと思います。
・エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)とは
飛行機や車などで長時間座った姿勢のまま足を動かさないでいると、下半身から上半身への血流が悪い状態になり、足の血管に血栓(血のかたまり)ができやすくなります。(深部静脈血栓症)
そして立ち上がり、歩き始めるなどして血液が循環しはじめると血栓が血流にのって肺へ移動し、肺の小さな血管を詰まらせてしまうことがあります。(肺塞栓症)
肺の血管は細かく枝分かれしているので詰まってしまうとその先に酸素を届けることができず、呼吸困難や最悪の場合は心臓に負担をかけ死に至ることもある怖い病気です。
長時間移動時は周りの人に気遣って座席を立てない、座席の狭さなどの行動範囲の制限に合わさって車内の乾燥などによって水分の制限、体内の水分が不足・脱水傾向となり血液がドロドロになってしまうことも血栓ができやすくなる要因のひとつです。
・エコノミークラス症候群の症状
このような症状が気になる時は、循環器内科に受診しましょう
・こんな人は要注意!!
- 40歳以上
- 下肢静脈瘤の症状がある
- 生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・高脂血症など)
- 1ヵ月以内に出産・手術
- ピルを服用している
- 心筋梗塞・脳梗塞などの血栓症の既往がある
・当院でできるエコノミークラス症候群の検査
エコノミークラス症候群は飛行機や長時間移動だけではなく、長時間のデスクワークや体調不良による長時間の臥床が原因になることもあります。
東日本大震災や熊本地震の避難所では多くの人が発症したことも報告されています。
下肢の血栓症が軽度の場合、血液をサラサラにするお薬の内服で血栓が溶けるのを待つ薬物療法がメインとなりますが、血栓の程度や肺塞栓症が疑われる場合は入院が必要となる場合があります。
このような場合でも、当院では専門的な処置をしてもらえる高次医療機関に速やかに紹介することができます。
エコノミークラス症候群は、長時間の同じ姿勢をさけ水分をしっかり摂ることで予防ができます。体調管理に気を付けて、みなさま楽しい年末年始をお過ごしください。
なお、新年当院は1/4~の診療開始です。来年もよろしくお願いいたします。
監修:柴山 謙太郎