水曜日は渡辺先生!~非常勤の先生をご紹介①~

  • 2023.09.27

こんにちは!看護師の三浦です。当院は2019年6月に開院し、今年で5年目を迎えます。開院当初は院長の柴山医師だけでしたが、多くの患者様からのご信頼を頂いたおかげで地域の病院との関係も広がり、現在では循環器領域で皆様に信頼されている病院から経験豊富な循環器専門の先生が5人も来てくださっています。

皆様は病院を選ぶ際にどのようなことを重要に選ばれていますか?まずは、自分の症状や病気が適した診療科であるかどうか、どんな先生が診察してくれるのか、自分の症状や体の不安といった訴えにしっかりと耳を傾けて、適切な治療をしてくれるかどうかなどではないでしょうか。皆さまが当院をかかりつけ医として、いつ来ても安心して受診していただけるように当院の素敵な外勤の先生たちをインタビュー形式でご紹介させていただきたいと思います。

トップバッターは水曜日の午前・午後の診療をしていただいている、渡辺 弘之(わたなべ ひろゆき)先生をご紹介させていただきます。渡辺医師は現在、東京ベイ・浦安市川医療センター センター長、ハートセンター長と千葉⼤学⼤学院 医学研究院 循環器病先端治療学講座 特任教授をされています。今まで診てきた弁膜症の患者数は3万人を超えており、日本循環器学会が作成する心臓弁膜症のガイドライン作成委員でもあります。(経歴詳細は当院HP医師紹介をご覧ください)

院長が循環器内科を本格的に学び始めた際、すでに心臓超音波検査(心エコー)の大家であった渡辺医師に師事したいと心に決めて門戸を叩いたことが出会いの始まりで、つまり院長のお師匠先生となります。

渡辺 弘之(わたなべ ひろゆき)先生

1.得意とする疾患や治療はなんですか?

循環器領域の全ての診療が可能ですが、とくに得意とする疾患は心臓弁膜症です。弁膜症は心臓の逆流防止弁が傷んで、狭窄や逆流などの機能障害を呈する病気です。まず病気を疑って診察し、心エコーで重症度や原因などを評価します。重症化して心不全を起こしてしまう前に診断することで心不全を防ぎ、天寿を全うできるように診療することに喜びを感じています。

とくに私が専門とする心エコーは非侵襲的に簡便に検査できて、定量的に重症度を評価することまで可能です。世界標準の診断基準で責任をもって診断し、そして最新かつ最適治療を丁寧に説明します。さらに、必要に応じて、迅速にハートチームのある病院に紹介します。

2.患者さんと関わりで大切にしていることはなんですか?

まずは患者さんの尊厳を大切にすることです。患者さんが本音で話し、心配していることに共感することが大切と思っています。例えば病気の説明は教科書を目の前に突き出すようではいけないと考えています。患者さんが納得ができるまでかみ砕いて説明するようにしています。

次に、患者さんに安心してもらうことも大切と考えています。ご病気があってもなくても、心臓病に関する情報を提供し、なぜ経過観察でいいのか、なぜ手術が必要なのかを説明しきることを心がけています。

最後に、正確さが大切です。医療情報は日々更新されています。昨日の正解が少しずつ訂正されることもあります。そのように医療の常識が変化する中で最新で正確な情報に結びついていることが重要で、それを患者さんに活かせるように理解することで、正確な診療を心がけています。

3.患者さんやご家族にお伝えしたいこと

心疾患の中でも特に弁膜症は、治療をすることで元気に元の生活を取り戻すことが期待できます。客観的検査結果やデータに基づいた事実を踏まえ、今できることを一緒に考えましょう。知識の混乱をさけ、課題を順番に並べて一緒に見つめることでそれは可能です。

特に弁膜症では症状だけにとらわれないことが重要です。無症状なのに重症の弁膜症と診断された、ということは実は弁膜症ではよくあることです。しかし特に高齢の患者さんでは、活動性が低下していることで症状をわかりづらくさせてしまうことがあります。ですから、主観的になりがちな症状だけで判断せずに、心エコーや採血データや運動負荷エコーなどの客観的な事実を基にして先に進みましょう。

また、弁膜症では重症度を正確に診断することが大切となります。弁膜症と診断されてもすぐに手術となる訳ではありません。また、不正確な情報に振り回されること無く、落ち着いて方針を決めることが大切です。弁膜症の診断において最も重要となる心エコーで重症度に注目してください。

最後に、他の人にとって良かった治療があなたやあなたのご家族にとって良い治療になるとは限りません。是非、患者さん自身の背景や客観的な検査結果に基づいて治療方針決定に向かわれることをお薦めします。

4.地域医療に関わる皆さまへ

治療の対象となる弁膜症は今後も増え続け、ヨーロッパからの報告では、2050年に現在の2倍に増えることが推定されています。また、現在でも無症候性のために発見されていない患者さんも多く居ることがわかっています。まずは病気を疑い、採血、心電図、胸部レントゲンだけでなく、私達が最も重要と考えている心エコーで的確に評価します。当クリニックでは、必要に応じて時間をかけたフォローアップや、再現性のよい運動負荷エコーを用いて大学病院レベルの精密検査が可能です。当院では薬物治療を開始したり継続することはもちろん、外科的な治療を行う高度な医療施設の紹介、さらには術後のフォローアップまですべて対応しています。

5.当クリニックで勤務されてみていかがでしょうか?

多様な患者さんがお越しになります。特に働く世代の比較的若年患者さんが多い印象です。まず、当院の印象として最初に患者さんとお話しする看護師の問診力が高いと思います。ここで多角的に、かつ専門性をもって患者さんのお話を伺うことで、より多くの情報が院内で共有されています。

次に、大病院ではすぐには予約できない心エコーを当院では比較的すぐに実施できることで、多くの患者さんが安心されています。この非侵襲的検査の魅力がここにも活かされていることを実感しています。

また、運動負荷エコーは古典的で世界では常識的な検査ですが日本ではあまり普及していません。この検査がクリニックで実施できることによって素晴らしい成果を生み出しています。特に隠れた病気をあぶり出す深掘り、言い換えれば精査ができるクリニックとしての価値が高いと感じています。さらに、院長の柴山医師を始め、当院の同僚医師達にも恵まれています。それぞれが循環器内科医として経験豊富で高い専門性を持ち、臨床家としての目も非常に養われています。当院では何曜日に受診されても安心して診療を受けて頂けると思います。

以上が渡辺医師へのインタビューになります。丁寧に答えて頂きありがとうございました!

誠実で温かく、安心感がある先生のお人柄が伺えますね。スタッフにも「困ったらいつでも声をかけて下さいね。」と優しい言葉をかけてくれます。弁膜症を心配されている方はもちろんですが、弁膜症以外で心臓に不安を抱える方も是非、優しく温かい渡辺先生の診察を受けられてみてはいかがでしょうか。

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