血圧の薬は朝?夜?ワールドカップの夜更かし観戦でも続けられる飲み方を医師が解説

  • 2026.06.17

先日、血圧の薬を飲んでいる患者さんから、こんな質問をいただきました。

「サッカー観戦が趣味で、ワールドカップではできるだけたくさん試合を見たいんです。血圧の薬は、いつ飲めばいいですか?」

楽しみにされている気持ちと、体のことを大切に思う気持ち、どちらも自然なことだと思います。この記事では、生活のリズムが変わりやすい時期に、血圧の薬とどう付き合っていくとよいか、一般的な考え方をやさしくお話しします。

なお、ここでお伝えするのはあくまで一般的な内容です。お一人おひとりに合った飲み方は、必ず主治医の指示が優先されます。その点をふまえてお読みいただければと思います。


結論
血圧の薬は、多くの場合、朝でも夜でも大きな差はありません。大事なのは「いつ飲むか」より「毎日続けること」です。


「朝がいいの?夜がいいの?」と悩みすぎなくて大丈夫

血圧の薬を朝に飲むか夜に飲むかについては、長いあいだ、さまざまな研究や意見がありました。

以前、「夜に飲んだほうが心臓や血管の病気を減らせるのではないか」という研究が出て、注目を集めたことがあります。その後、世界中の専門家がさらにくわしく、何万人もの人を対象に調べ直していきました。

現在のところ、朝でも夜でも、心臓や血管の病気の起こりやすさに大きな差は見られない、という結果が多く報告されています。

ですから今は、飲む時間そのものに神経質になりすぎる必要はないと考えられています。それよりも、毎日無理なく飲み続けられることのほうが大切だとされています。

ただし、夜間の血圧の状態などによっては、主治医があえて飲む時間を指定することもあります。すでに飲む時間の指示を受けている方は、その指示を続けてください。

生活が不規則なときの、薬の飲み方3つのコツ

夜ふかし観戦が続くと、いつもの飲むタイミングがくずれやすくなります。そんなときに役立つ、3つのコツをご紹介します。

夜ふかしが続くと、「起きたとき」や「寝る前」という目安は、日によってバラバラになりがちです。すると、飲み忘れや、うっかり2回飲んでしまうことが起きやすくなります。

そこで、「毎朝8時」「毎晩10時」のように、時計の時刻で決めておくと、タイミングが安定しやすくなります。スマホのアラームを活用するのもよい方法です。

今広く使われている血圧の薬の多くは、1日1回飲めば、1日を通して効くように作られています。そのため、いつもより1〜2時間ずれても、効き目は続きやすいとされています。

多少のずれは、あまり気にしすぎなくてよいでしょう。

ただし、薬の種類によって性質は異なります。ご自分の薬がどのタイプか分からないときは、薬剤師さんや主治医に確認しておくと安心です。

続けやすくする工夫として、毎日かならずすることと薬をセットにする方法があります。「歯みがきのあとに飲む」「朝ごはんのあとに飲む」と決めておくと、忘れにくくなります。1週間分を仕分けできるピルケースを使うのもおすすめです。


よくある質問


一般的には、気づいたときに飲むのが基本とされています。ただし、次に飲む時間が近いときは、1回とばすのが安全です。

2回分をまとめて飲むのは避けましょう。対応は薬の種類によって変わりますので、迷ったときはかかりつけの先生や薬剤師さんにご確認ください。


1日2回の薬は、だいたい12時間おきが目安とされています。生活が夜型になりやすい時期も、「朝○時・夜○時」と時刻を決めておくと続けやすくなります。具体的な時刻は、主治医とご相談ください。


お酒にも血圧を下げる働きがあり、薬と重なると下がりすぎることがあります。お酒を飲む機会が増えそうな時期は、量に気をつけ、心配なことがあれば前もって主治医に相談しておくと安心です。


まとめ

血圧の薬は、多くの場合、「朝に飲むか、夜に飲むか」で悩みすぎる必要はないと考えられています。世界中の専門家が調べた結果、飲む時間による差は大きくないと報告されています。

大事なのは、いつ飲むかよりも、毎日無理なく飲み続けること。生活が不規則になりやすい時期は、「毎朝8時」「毎晩10時」のように時刻を決めて、アラームや毎日の習慣とセットにすると、飲み忘れを防ぎやすくなります。1日1回の薬なら、少しくらいずれても、効き目は続きやすいとされています。

ただし、いちばんよい飲み方は、薬の種類や体の状態によって人それぞれ異なります。すでに飲む時間の指示を受けている方は、その指示が最優先です。生活のリズムが大きく変わりそうなときは、かかりつけの先生に「この時期は何時に飲むのがよいですか」と一度ご相談ください。

体を大切にしながら、ワールドカップの時間も楽しんでいただけたらと思います。当院でも、高血圧のご相談やお薬についてのご相談を承っています。気になることがあれば、どうぞお気軽にお声がけください。

東京心臓血管内科クリニック・南行徳本院

 院長 渡辺弘之

PAGE TOP