最近よく聞く「心エコー」~技師のこだわりが詰まってます~
- 2026.06.15
目次
こんにちは、東京心臓血管・内科クリニック南行徳本院の生理検査技師です。
<検査室の中から シリーズ第1弾>
ふだん患者さんからは見えにくい「検査室の中」でのひと工夫を、検査を担当する技師の視点でお伝えしていきます。
心エコー検査は「ゼリーを塗って胸に機械を当てる検査」というイメージをお持ちの方が多いのですが、実はその裏ではより正確な診断につなげるためのさまざまな工夫をしています。心エコー検査は技師の工夫で画像の質が大きく変わり、それが診断を支えています。まずは、受ける前に気になるポイントからお答えしましょう。
心エコーに関する別の記事もございます。よければご覧ください。
心エコーは、なんで時間がかかるの?

それは正確な診断が求められるからです。運動会で走るお子さんをビデオカメラで追い続けるように、私たちは動き続ける心臓をしっかりと記録しています。息を止めて一瞬で撮影が終わるレントゲンとの違いはここにあります。
心臓は休むことなく動き続け、さらに呼吸のたびに肺や心臓の位置も少しずつ変わります。そのため、観察したい部位を超音波で明瞭に映し続けるのは、肋骨や肺の影響のため簡単ではありません。だからこそ、私たちは丁寧に高画質で記録し、診断の精度を上げているのです。
技師さんは何を考えているの?
技師は一枚一枚、こう考えながら記録しています。
• 「先生が診察で見やすい画像になっているか?」
• 「前回と比べやすいか?」
• 「心臓の状態をしっかり評価できているか?」
その理由をもう少し深堀して解説します。
一人ひとり、最適な撮り方が違います
心臓の位置や向きは、体格と同じように人それぞれ異なります。最適な画像には最適な撮り方があるのです。そのため当院では、お一人おひとりに合わせて次のような調整を行います。
• 体の向きを変えていただく
• 呼吸を調整する
• プローブ(超音波を出す機械)を当てる位置を細かく変える
検査中に姿勢や呼吸の調整についてお願いすることがありますが、これらはすべてより良い画像を撮るための工夫です。ご協力いただけると、より正確な評価につながります。
「決まった角度」で撮る理由
心エコー検査では、心臓の大きさや動きを正しく評価するために、世界共通の基準に沿った断面(角度)を記録しています。毎回同じ場所を同じように撮影することで、施設や担当技師が変わっても、前回との変化が比較しやすくなります。
そのため技師は、「見えている」だけでなく「正しい位置で見えている」ことを確認しながら検査を進めています。
私たちが「撮って終わり」にしない理由
心エコー検査は、画像を記録して終わりではありません。計測という重要なステップがあります。
心臓はサイズや動きを数値化して評価しています。ご病気ごとに個別の計測項目が数多く設定されています。このステップがあって初めて質の高いエコー検査となります。
つまり撮影後、皆様が検査ベッドから離れるとすぐに、心臓の大きさや異常の有無を確認する計測が行われています。これは撮影と同じくらい大切な行程で、皆さまの状態を詳しく把握するための重要なステップであり、私たち技師の腕の見せどころというわけです。
あんな症状・こんな症状がある方は一度ご相談ください
次のような方は、心エコー検査が役立つことがあります。気になる症状があれば、自己判断せず受診をおすすめします。

・動悸、息切れ、胸の痛み、違和感がある
・階段や坂道で以前より息が切れる、足がむくむ
・健康診断で心電図、心雑音、心拡大などを指摘された
・高血圧・糖尿病、脂質異常症があり、心臓への影響が心配ご家族に心臓病の方がいる
東京心臓血管・内科クリニックでは、超音波専門医による診察と、超音波検査士による心エコー検査を行っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 心エコー検査は痛いですか?
A. 痛みはありません。ゼリーを塗ってプローブを胸に当てるだけで、被ばく(放射線)もありません。
Q. 心エコー検査で何がわかりますか?
A. 心臓のポンプ機能、弁の状態、心筋の動きや厚み、血液の流れ、心臓まわりの水のたまりなどがわかります。心不全・弁膜症・心筋症などの発見に役立ちます。
Q. 検査時間はどれくらいですか?
A. おおむね15〜30分が目安です。心臓の状態によっては計測に時間がかかる場合があります。
Q. 心電図と心エコー検査は何が違いますか?
A. 心電図は心臓の「電気の流れ(リズム)」を、心エコーは心臓の「形や動き」を調べます。役割が異なるため、両方を行うことでより詳しく評価できます。
Q. 健康診断で心電図に異常が出ました。受けるべきですか?
A. 多くの場合、心エコー検査での精密な確認がすすめられます。指摘内容を持って循環器の診療を受けることをおすすめします。
※費用は保険適用の有無や3割負担などの条件で変わります。詳しくは受付・当院スタッフにお尋ねください。
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。症状や検査の必要性は個人差があるため、詳しくは医師にご相談ください。
「検査室の中から」シリーズ ── 次回(第2弾)は「検査時間は15~30分、その間に何をしているのか?」を予定しています。
執筆:東京心臓血管・内科クリニック 臨床検査技師(超音波検査士)/監修:渡辺弘之院長(超音波専門医)
最終更新:2026年6月8日