実家に帰って気付く、親の「心不全サイン」
- 2025.12.22

年末年始は、久しぶりに実家に帰省する方も多いと思います。ご両親にあったり近所のおっちゃんやおばちゃんに久しぶりに会ったり。心も体もほかほかする機会ですね!さて私達が子供の頃、ご両親は言葉が話せないあなたを見ていろいろ心配していたはず。今度はあなたが、親御さんの心不全サインに気付く番です。これも親孝行かなと思います。 久々に会った親御さんを見て、
• 「前より歩くのが遅くなったな」
• 「なんだか息が上がっている」
• 「足がむくんでいる気がする」
と、ふとした変化に気づくこともあるのではないでしょうか。実は少しずつ変化する体調は、たまに合うからこそ気付くこともあるんです!そこで今回は離れて暮らすご家族がチェックしやすい「心不全サイン」を紹介します。
チェック① 一緒に散歩!
たまに実家に帰ったら一緒に散歩してみましょう。近所のコンビニに一緒に行くだけでいいんです。
• 以前より明らかに歩くスピードが遅くなった
• 少しの坂道や階段で立ち止まって休みたがる
• 「先に行ってて」と言うことが増えた
もちろん、年齢とともに足腰は弱くなりますが、心臓のポンプ機能が落ちていても、息切れや疲れやすさとして現れます。高齢化で傷むのは膝や腰だけではありません。心臓だって痛むんです。高齢化が原因の弁膜症も増えています。
チェック② 足のむくみ
夕方、靴下やスリッパを脱いだときに、こんな様子はありませんか。
• 足首の周りがふっくら腫れている
• 靴下のゴムの跡がくっきり、深く残っている
• 足の甲までパンパンに張っている
むくみは、長時間の立ち仕事や運動不足でも出ますが、心不全の初期サインとして現れることも多い症状です。医学的なむくみは、指の腹で押すと凹んで戻るのに時間がかかるむくみです。とくに、体重もじわじわ増えている場合は、心臓が「体の中の水分をさばききれていない」可能性があります。
チェック③ 夜の様子と睡眠
親御さんはちゃんと寝てますか?これ生活時間が違うため難易度ややや高めです。
• 上体を起こしていないと苦しそう
• 横になると咳き込む、息苦しそう
• 夜中に何度も起きて、座って呼吸している
こうした様子は、心臓が弱ってきたときにみられることがあります。横になると心臓に戻る血液が増え、それをさばききれないと息苦しくなるためです。そっと観察してあげてください。
チェック④ いつもと違う「表情」と「言葉」
心不全が進んでくると、体だけでなく表情にも変化が現れることがあります。
• 以前より元気がない、笑顔が少ない
• 「しんどい」「疲れた」が口ぐせになっている
• 食欲が落ちて、食べる量が減っている
年齢のせい、性格のせい…と片付けてしまいがちですが、 その背景に「息切れ」「だるさ」「胸の苦しさ」が隠れていることも少なくありません。
こんなときは、一度循環器内科へ
上のチェックで気になる点がいくつかあれば、一度、心臓の状態を確認しておくと安心です。できれば心エコーまで押さえておくと安心です。
• 心電図で脈のリズムや負担のかかり具合を確認
• 心エコー図検査で、心臓の大きさ・動き・弁の状態を詳しく評価
• 必要に応じて血液検査で心不全の程度をチェック
当院では、こうした検査を組み合わせて、 「今すぐ治療が必要なのか」「まずは生活の工夫からでよいのか」などを一緒に考えていきます。
離れて暮らすからこそ、できることがある
親御さんご自身は、「歳だから仕方ない」「病院は面倒だ」と受診をためらうことも少なくありません。 でも、久しぶりに会うご家族だからこそ、 「前と違う」「ちょっとおかしい」という変化に気づけることがあります。
人形町でも南行徳でも診察が受けられる強み
当院では、人形町エリアでも、南行徳エリアでも循環器専門外来を行っているため、
• ご実家が千葉寄りであれば南行徳で
• お勤め先やお住まいが都心寄りなら人形町で
といった形で、ご家族それぞれに通いやすい方をお選びいただけます。
「実家で気になった症状について、人形町でまず相談してみたい」 「親を南行徳のクリニックに一度連れていきたい」
どちらのパターンでも構いません。 大切なご家族が、これからも元気に日々を過ごせるよう、人形町と南行徳の両方から、心臓の面でサポートさせていただきます。気になるサインに気づいたときが、受診を検討するタイミングです。どうぞ無理のない形で、ご家族と一緒にご相談ください。
文責:渡辺 弘之