心エコーについて著作した本が出版されました【領域横断ちょいあてエコー活用術】

  • 2019.08.06

こんにちは、東京都中央区日本橋人形町の東京心臓血管・内科クリニック院長 柴山です。この度、私が心エコーについて担当著作致しました「領域横断ちょいあてエコー活用術」が出版されましたので、ご報告させて頂きます。

この書籍は、若手医師や医療従事者を対象として、ベッドサイドで行う超音波検査を領域横断別にレクチャー形式で記した本です。Point-of-Care超音波研究会という、ベッドサイドで行う超音波の普及を目的とした勉強会が企画しております。

当本の内容は、 2019年1月に東京・千駄木の日本医科大学で開催された第6回研究会において、全身の主要臓器をエコーで診ることを目的とした「General POCUS 1-dayセミナー」で用いられたスライドおよびレクチャーを再現したものです。

心エコーは、人の耳で聞くことができない高周波の音波である超音波を使用して行う検査です。心エコー検査とは心臓や大血管に対して行う超音波検査のことを指しており、検査にはいくつかの特筆すべき特徴があります。

1.身体にはほとんど無害の検査です

超音波は身体にほとんど無害であり、検査による痛みや傷や被ばくは伴いません。そのため、心エコー検査では心臓や血管の状況を経時的に評価するために何度も繰り返して検査を行うことができます。

2.検査結果はすぐにわかります

超音波検査は侵襲度が低いだけでなく、検査をしているその場で心臓の動きや機能などを評価できるという、その他の画像検査にはない特徴があります。例えば、今まで自覚したことのない強い胸痛や動悸があるときなど特に緊急を要するタイミングでは、すぐに心臓や血管の状態や機能について結果を知る必要があります。その際、心エコー検査は非常に有用な検査となります。

3.コストパフォーマンスの高い検査です

さらに心エコー検査では心エコー機以外の特殊な装置は不要です。CTやMRIやシンチグラフィーなどの画像検査では検査撮影料以外に画像診断料などが必要となるのに対して、心エコー検査では追加費用がかからないため検査費用はより少なくて済みます。しかも心エコー検査では、心臓の形態評価だけではなくその他の画像検査で評価することが困難な機能評価などの情報も得ることができるのです。そのため、とくに心臓の評価において心エコー検査は最もコストパフォーマンスが高い検査の一つなのです。

心エコー検査では画像診断料がかからないため、裏をかえせば心エコー専門医が評価をしても卒業したばかりの研修医の先生が評価をしても検査料は同じということになります。このことはあまり知られていない事実です。質の高い心エコー検査をご希望の方は、「超音波専門医( 循環器領域)」という資格をもった循環器専門医に評価をしてもらうことをお勧めいたします。皆様の健康管理に少しでもご参考になれば幸いです。

文責:柴山 謙太郎

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