未治療の「白衣高血圧」は心血管イベントのリスクが高い【白衣高血圧 = 将来の心血管リスク】

  • 2019.10.06

こんにちは、中央区日本橋人形町で循環器内科を診ております「東京心臓血管・内科クリニック」院長の柴山です。今回は、未治療の「白衣高血圧」患者が、治療を受けている「白衣高血圧」患者と比較して心血管イベントおよび総死亡のリスクが高いことを、研究27件を対象とした解析によって示されたことをご報告いたします。(Ann Intern Med. 2019 Jun 11. doi: 10.7326/M19-0223.)

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高血圧ガイドラインでは、高血圧の診断や血圧の管理において、自宅での血圧測定を強く推奨しています。自宅での血圧測定は正常でも診察室内では高血圧となる患者さんを「白衣高血圧」と呼び、自宅でも高血圧となる患者さんと区別しています。

今回の研究は、「白衣高血圧」の患者25,000人超、および正常血圧の成人や内服で降圧されている高血圧患者38,000人超を対象とした複数の研究を解析したものです。未治療「白衣高血圧」および既治療「白衣高血圧」における将来の心血管イベントおよび総死亡との関連を評価しています。

21件の研究から、「白衣高血圧」を有する患者さんは正常血圧の成人よりも心血管リスクが明らかに高かったことが分かりました。

また11件の研究では、「白衣高血圧」を有する患者さんは、正常血圧の成人や内服治療で降圧されている患者さんと比較して、総死亡リスクも有意に高かったことが認められました。

このような人は、正常血圧の人よりも持続性高血圧の発症リスクが高く、この特定されないことが多い持続性高血圧への移行は、心疾患および死亡のリスク上昇を生じさせる可能性が高いと考えられます。つまり、未治療の白衣高血圧を有する人は、診察室外での血圧モニタリングによって持続性高血圧への移行に関する厳密なモニタリングを受ける必要がある可能性があります。

一方で、白衣高血圧に対する降圧治療は診察室外での低血圧および薬剤の不要な副作用が生じやすい可能性があるため、過剰治療しないように慎重となる必要があります。ですから、長期的に自宅で正確な血圧モニタリングが重要なのです。

2017年に発表された高血圧ガイドラインでは、降圧薬を服用していない、または服用しているにもかかわらず診察室での血圧が高い患者に対し、自宅での血圧モニタリングなどの診察室外の血圧モニタリングが重要であることが示されています。

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