心エコーの次のステップへ~運動負荷心エコーってなに?~

  • 2026.06.02

健康診断や病院で心エコーを受けて「異常なし」と言われると、ほっとしますよね。でも、実はそれだけでは見えない部分もあるんです。


運動する時にだけ出る心臓の異常って?

心エコーは、心臓の動きを「安静にしてるとき」に調べる検査です。

でも、心臓の病気の中では、安静時には隠れていて「運動したとき」に初めて現れるものがあります。

たとえば…

・走ったときにだけ胸が苦しくなる。痛くなる。

・階段を登ると息切れが強い。

こうした症状は、安静にしている時の検査では正常に見えてわかりにくいことがあるのです。

どういうときに必要なの?

・虚血性心疾患の診断と評価

・心臓弁膜疾患の重症度評価、手術適応の決定、術後の評価

・心筋症の評価

・心予備能の評価

こうした場合に負荷心エコーが役立ちます。


運動負荷心エコーってどんな検査?

心臓の検査のひとつに「運動負荷心エコー」というものがあります。

これは、実際に体を動かして心臓に負担(負荷)をかけ、そのときの心臓の動きを超音波で調べる検査です。

「薬を使って負担をかける検査」もありますが、運動をするほうが体にとって自然な形で心臓に負担をかけられることが特徴です。

負荷のかけ方はいろいろ

心臓に「頑張ってもらう方法」はいくつかあります。

①運動で負荷をかける方法

日常生活に近い形で、身体を動かして心臓に負担をかけます。

 ・トレッドミル(ランニングマシーンのようなもの)

 ・自転車エルゴメーター(こぐタイプの運動機械)

 ・ハンドグリップ(握力を使う方法)

などを使います。

②薬を使って負荷をかける方法

点滴でお薬を使い、心臓に刺激を与える方法です。

 ・ドブタミン(心臓を強く動かす薬)

 ・ジピリダモールなどの血管を広げる薬

などが使われます。

大事なポイント!!

この検査は患者さん自身が「できるところまで頑張ってやってみよう!」と思って協力していただくことが大切です。

脳や足の血管に病気がある方など、一部の方には行えない場合もあります。


エルゴメータを用いた運動負荷心エコー検査について

運動の仕方にもいくつかの種類があります。そのひとつが「自転車こぎ」に似た器機(エルゴメーター)を使う方法です。

仰向けに寝た状態でベッドに設置された自転車のペダルをこぎます。足腰への負担を最小限にするためペダルの位置を調節してから運動を開始します。

通常は25Wから開始し、2分ごとに負荷を25Wずつ増やしていきますが、患者さんの状態によっては10Wから始まることもあります。

【患者さんが事前に準備するもの】

・動きやすい服装(Tシャツ、短パンなど)汗をたくさんかくので着替えは必須です!

・靴下(足首まで隠れるタイプがおすすめ)

【検査の準備】

・上半身は着替えていただいたTシャツ一枚(肌着は脱いだ状態)、靴を脱いで靴下でベッドに仰向けになります。(基本的には靴は脱いで行います)

・ベッドに設置されたエルゴメーター(自転車こぎ)のペダルの位置を調節し、仰向けの姿勢で自転車がこげるように設定します。

・胸にシール(心電図の電極)を貼ります。上腕に血圧のカフを巻き、血圧を測定します。指先には体内の酸素濃度を測定するモニターを装着します。

【運動負荷のやり方】

・ベッドを左斜めに傾けた状態で自転車のペダルをこぎ、心臓に負荷をかけます。

・ペダルの速さは1分間に50-60回転になるようにこぎます。

・2分ごとにペダルが少しずつ重くなりますが、速さはそのまま保ちます。

 【運動中にチェックすること】

・血圧や脈拍

・心電図の変化

・心臓の動き(運動前・運動中・運動直後の心臓のエコー画像を撮ります)

なとを詳しく確認していきます。

患者さんの体力や症状に合わせて調節しますので、安心してください。

運動している最中の心臓をエコーで直接見ることができるのが大きな特徴です。

【この検査でわかること】

・狭心症・心筋虚血がないか

・心臓の動きやポンプ力が保たれているか

・心臓弁膜症が運動で悪化しないか

・不整脈がでないか

・どのくらい運動ができるか(運動耐容能)

エルゴメーターでの検査の注意点

自分のペースでこいでしまうと、心臓にうまく負担がかからず、正しい結果が得られません。

少し大変に感じるかもしれませんが、決められたペースを守ることがとても大切です。

最後まで無理をしてこぐ必要はありませんが、ペースをを守っていただくことで検査の意味が生きてきます。


まとめ

運動負荷心エコーは「安静にしているときには見えない心臓の変化を確認できる」大切な検査です。

ベッドに横になったまま自転車をこぐスタイルなので、身体への負担も最小限です。

医師やスタッフがそばについていますので、安心して検査を受けて下さいね。

監修:柴山 謙太郎

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