心エコーを受ける前に~ほんの少し、ほっとするために☘~

  • 2025.07.07

「心エコー検査をしましょう」と言われた時、少し不安になりますよね。
 
心臓ってとても大事な場所だからこそ「何か悪いところがあるのかも」「痛くないのかな」「どんな検査なんだろう」といろんな思いが頭に浮かぶのは自然のことです。
 
今日はそんな不安がほんの少しでも和らぐように心エコー検査についてご説明します。


どうして心エコーか必要なの?

心エコーの依頼が出るとき、患者さんの心の中にはいろいろな思いがあるかと思います。

「何か悪いとこが見つかったかな?」「ちょっと血圧が高いだけなのに…」「心臓ってそんなに悪いの?」「血液検査やレントゲンじゃだめなの?」

そんな疑問を持つのも当然のことです。それぞれの検査には役割がありますが、心エコーだからこそ分かることがあるのです。

血液検査だけではわからないこと

採血と心エコーは見ていることが全く違うため、採血だけでは心臓の状態を十分に把握することはできません。

例えば血液検査で「心臓がつらそうかも?」というサインが見つかることはありますが、「何が原因で、どれくらい悪いのか」といった具体的なことまではわかりません。

また、血液検査で心臓に負担がかかっている兆候があっても、心臓の形や動きといった構造的な問題はわからないのです。

心電図だけでも足りないことが

心電図は心臓のリズムや電気信号の異常を見つけるための大事な検査ですが、心臓の形や動き、血液の流れまでは見ることができません。

レントゲンは補助的な検査です

胸のレントゲンでは心臓の大きさや肺の様子を見ることができますが、心臓内部の動きはまではわかりません。


心エコーってどんな検査?

心エコーは超音波を使って心臓の動きや大きさ、血液の流れなどをリアルタイムで見る検査です。痛みはなくレントゲンのような被爆もありません。

身体にやさしく、でもとても詳しく心臓のことが分かる大切な検査のひとつです。

心エコーでしかわからないこと

・心臓の弁がちゃんと動いているか

・心臓がきちんと動いているか(ポンプ力)

・心臓の大きさや壁の厚さ

・心臓の中の血液の流れや速さ

・心臓の中に血のかたまり(血栓)や腫瘍がないか

よくある適応(検査が行われる理由)

・心雑音があるとき

・心電図異常があるとき

・息切れ、胸痛、動悸などの症状があるとき

・心不全や心筋梗塞の評価

・心臓弁膜症や心筋症の診断、経過観察

・高血圧による心臓の変化

・生まれつきの心臓の病気の評価

心エコー検査の流れ

  1. 上半身の服を脱ぎ、左向きに横になります。上下が分かれた服(セパレートの服装)だと脱ぎ着がスムーズでおすすめです。
  2. 胸にゼリーのついた機械をあてて検査を行います。
  3. 検査途中に体の向きを変えたり、「息を止めてください」と声がかかります。
  4. 検査目的や体型により前後しますが検査時間は15~30分程度です。

*左向きになるのはなぜ?

左側を下にすると、心臓が胸の前に近づいて肺の影に邪魔されず、きれいに心臓が見えるからです。

⁑ゼリーをつける理由

 超音波は空気があるとうまく伝わりません。肌と機械の間にゼリーを塗ることで空気の隙間がなくなり、きれいな心臓の動きが映るようになります。ゼリーの主成分は水で肌にも安全な成分で作られています。においやベタつきも残りません。

⁂息を止めるのはなぜ?

 呼吸をしていると、胸の動きで心臓も少し揺れてしまいます。そのため、息を止めることで心臓の位置が一時的に安定し、クリアな画像を撮ることができるのです。短い時間なのでご安心ください。


最後に。ほんの少し、ほっとしてもらえたら。

初めての検査は誰でもちょっと不安です。しかし心エコーは体にやさしく、そしてとても大切な情報が得られる検査です。わからないことがあれば、どうぞご遠慮なくお聞きください。

監修:柴山 謙太郎

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