患者さんからのよくある質問集~看護師がおこたえします~
- 2026.09.29

こんにちは、看護師の堀井です。
突然ですが、初めての病院へ行く時ってとても緊張しませんか?
当院では「病院が苦手」「先生を前にすると話しづらくなる」等といった患者様の不安をできるだけ軽減するために、初めて来院された患者様に対してできる限り、医師の診察の前に看護師による問診を行うようにしています。
看護師により来院されたきっかけ・目的や、気になっている症状、不安な点をうかがう時間をとることでより満足度の高い診療となるように心がけています。
今回は私たち看護師が問診をしている際によく患者様から聞かれる質問やお言葉をまとめてみました。
受診を迷われている方や受診に不安な気持ちを持たれている方の手助けになればと思います。
どの科に来ればいいのか分からなかった

何か症状が起こった時、または悪化したとき、ご不安かと思います。当院でも、ご自身の体がこのまま生活をして大丈夫な状態かどうか。を心配されて来院される方が少なくありません。
そのような場合、まずは「命に関わる病気」「緊急性の高い病気」から除外していく必要があります。
命に関わるような病気には心臓や血管の病気も多いので、当院でスクリーニング(ふるいにかけること)ができ、当院での治療が可能な場合はそのまま継続した治療を行うこともできます。
また、当院で実施できない検査・治療が必要であれば他院・他科のお勧めや紹介状の作成もしています。
わたしたち看護師は患者様から来院のきっかけ、どんな不安や希望があり、それはどんな検査が適当かを考えながらお話しを聞くように心がけています。
近頃ではインターネットやAIにてご自身で検索され「狭心症では?」「弁膜症では?」と具体的な疾患を心配されている方も多くいらっしゃいます。ぜひ、そのまま看護師にご不安をお話しください。
また、可能な検査や診療内容については電話や相談フォームからもご相談をお受けできます。
スマートウォッチの脈拍や心電図は役に立ちますか?
近年、スマートウォッチ(アップルウォッチ等)には脈拍を記録する機能や、心電図をとることができる機能がついていることが増えましたね。
結論から言いますと、スマートウォッチの記録も不整脈の診断に役に立つことがあります。
とくにスマートウォッチの心電図については、そのデータを持参いただき実際に不整脈が見つかった例が当院でも数例あります。
患者様が訴えられる症状には長く続くものと一時的なものがあり、特に「症状があるときの心電図」は不整脈や、心筋梗塞・狭心症といった心臓の筋肉に異常がないかの診断に役立ちます。
しかし、「症状があるときの心電図」をとるにはその時にすぐ病院へ来ていただくことが必要ですが、実際来院される患者様は「いまは落ち着いている」という方がほとんどです。
そこで、お持ちのスマートウォッチに心電図をとる機能がついていると症状があるときにそのデータをとっていただき、受診時にお持ちいただくことで診断につながる場合があります。
スマートウォッチをお持ちの方はぜひ機能が備わっているかをチェックしていただき、いつでも使うことができるように設定をし、すこしコツがいるので練習をしてみていただくことをお勧めします。
スマートウォッチの心電図についてはこちらに詳しくまとめましたので、よければご参考にしてください。
身内が心臓の病気になりました。自分も心臓の病気になりやすいのでしょうか?

身近な方がある日心臓の病気になり、手術をされた・入院をされたらご不安になるかと思います。
「心臓の病気」といっても、不整脈・心筋梗塞や先天性心疾患(生まれつき心臓・血管の形態異常)など様々です。その中には遺伝性のあるもの・ないものがあります。
◆遺伝性のある心臓の病気
心臓の病気の中には、生まれつきの遺伝子の変化が関わっているものがあります。自覚症状がなくても、血縁者に同じ病気の方がいる場合は、一度検査を受けておくと安心につながることがあります。
代表的なもの
- 肥大型心筋症:心臓の壁(筋肉)が厚くなる病気です
- QT延長症候群:心臓の電気的な信号が乱れやすく、不整脈を起こしやすい病気です
- ブルガダ症候群:心臓の電気信号に関わる病気で、特に働き盛りの男性に多く見られます
遺伝性のある心臓の病気については、それぞれの特徴や気をつけたいサインなど、別の機会に詳しくお伝えできればと思いますのでまたご参照ください。
また、心筋梗塞を起こしやすくする「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」といった病気は、実はご家族の生活習慣と深く結びついていることがあります。
たとえば、食生活や過ごし方などの習慣は、家族の中で自然と共有されやすいものです。
同じ食卓を囲み、同じような一日の過ごし方をしていれば、血圧やコレステロール、血糖値への影響も似てくるのは、ある意味自然なことともいえます。
当院でも初めて来院された患者様にはご家族の病歴をうかがっており、必ずしも「まったく関係がない」とは言い切れません。
大切なのは日々の適切な食事や運動習慣、定期的な健康診断(一次予防)をすることと異常があった場合早めの対策・コントロール(二次予防)で、病気は予防できるということです。
サウナは心臓に負担をかけますか?
健康な方であれば適切な入り方をすれば問題ない場合がほとんどです。
実は、フィンランドで2,300人以上の男性を約20年間追跡した研究で、サウナに週4〜7回入る人は、週1回の人より心臓突然死のリスクが約63%も低いという結果が出ています。
サウナで温まると血管が広がって血流がよくなり、これが軽い有酸素運動と同じように心臓にとって良い効果をもたらすと考えられています。
サウナには正しく使えば心臓にとって良い面もあるのです。
ただし入り方には注意が必要です。
サウナでは大量の汗をかくため脱水になりやすく、不整脈や血栓のリスクを高めることがあります。前後にしっかり水分補給をすること、アルコールと組み合わせないことが大切です。
また、サウナに入ると血管が広がり心臓はより速く血液を送り出そうとします。
そのあと急に水風呂で体を冷やすと血管が収縮し、血圧・脈拍が急激に変動します。この温度の急激な変化が心臓への負担につながることがあります。
とくに心臓病がある方が水風呂や冷たいプールに急に入ると、不整脈や血圧・心拍数の不安定を引き起こす可能性があります。
サウナ後はいきなり水風呂に入るのではなく、外気浴などで少しずつ体温を下げてから水風呂に入るか、水風呂を使わずゆっくり休憩するだけでも十分です。

このような方は特にリスクが高いので、水風呂は必ず避け、主治医や病院スタッフにサウナの利用について相談されることをおすすめします。
病院はなんとなく緊張する場所かもしれません。
でも、「こんなこと聞いていいのかな」と思うような小さな疑問に大切なことが隠れていることもあります。
医師に聞きづらければ、看護師に相談してみても大丈夫です。それだけで、受診がすこし楽になるかもしれませんね。
監修:柴山 謙太郎