謎の息切れ 早期検査で、重病ではないことを確認

  • 2023.10.01

当院の柴山 謙太郎 院長が、日本経済新聞 全国版(2023年7月14日版)「謎の息切れ 早期検査で、重病ではないことを確認」の記事でコメンテーターとして掲載されました。

「NIKKEIプラス1 カラダづくり(2023/7/14)」から引用

この記事では、われわれが日常的に自覚する可能性のある症状である『息切れ』について詳しく解説しています。たとえば年齢を重ねるにつれて、息切れを自覚したとしても「もう若くない」と年齢のせいで済ませてしまいがちですが、中には重大な病気が隠れていることがあります。息切れの原因となりうる病気が多岐にわたる中で絶対見過ごしたくないものについて紹介しています。

この記事の中で柴山医師は、『息切れ』を自覚したときには「緊急性や重篤性の高い疾患がないことを確認するという考え方が大事」とコメントしています。

まず息切れの原因として、一般的なものは運動不足や肥満、過労・ストレス、加齢や女性ホルモンなどを含む様々な要因から影響を受ける自律神経障害などからくる症状である頻度が高いと言われています。しかし、これらの原因は検査をして客観的に診断を確定することが難しいものなので、むしろその他の息切れを起こす病気をしっかりと除外しておくことが重要になります。

息切れを起こす病気としてはどのような疾患があるのでしょうか?

心不全や狭心症・心筋梗塞などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息(ぜんそく)、肺炎などの呼吸器疾患、貧血や甲状腺機能亢進(こうしん)症などの全身性疾患、そして過換気症候群などの精神神経疾患、など様々な疾患が挙がります。

その中でも特に確認しておきたい疾患の筆頭は、突然死につながりかねない心臓の病気です。記事では、息切れというと肺の疾患に着目しがちだが、心臓に関連する疾患が案外多いと指摘しています。心臓疾患を背景とする息切れは、心臓の機能低下によって全身に送り出す血液の量が不足したり、心臓に栄養を送る血管が詰まりかけたりすることが症状の原因となります。

症状があると漠然と不安になりますが、循環器内科を受診して心臓超音波検査(心エコー)を含む検査を受けることによって心臓や大血管に危険な病気がなく最悪の事態になる可能性が低いと分かれば、安心して毎日を過ごせるようになることは大事なことです。さらに、重篤な疾患を偶発的に早期に発見するきっかけにもなります。

息切れに胸痛が伴えば狭心症・心筋梗塞、脈の乱れがあれば心房細動などの不整脈、むくみなどがあれば心不全などが疑われます。

しかし、受診時には息切れが治まっていることがほとんどです。実は症状が無い中で心電図や心エコーなどの循環器検査を行っても異常所見がでないことが多いため、本当は心血管疾患が隠れていても循環器内科でさえも疾患を見落としてしますことがあるのです。

その場合、ペダルをこぐなどの運動をして心臓の状態を調べる運動負荷心エコーが非常に効果的であることを記事では指摘しています。

運動負荷心エコーを積極的に行っている当院の柴山医師は、息切れ症状のある患者様に対して運動負荷心エコーを行うことによって「息切れがある状態での心臓の動きや大きさ、弁の状態、が把握でき、心臓の異常を突き止めやすくなる」とコメントしています。

「たかが息切れで、、、」と、循環器内科を受診することにためらう気持ちもあるかと思います。記事では、受診の目安として「程度がいつもと異なる場合のほか、頻度が増した、継続時間が長くなった、息切れ以外の症状がある場合などは早めの受診を」と呼び掛けております。

是非みなさまの健康管理の御参考になれば幸いです。

記事については以下をご参照ください。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD28D8A0Y3A620C2000000/

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