開業理念と目標について【循環器内科 × 心臓血管外科 × 心エコー】
- 2019.06.25
2019年6月に日本橋人形町で開院致しました東京心臓血管・内科クリニック 院長の柴山 謙太郎です。まず、当クリニックについて知ってもらうために私の略歴や当クリニックの開院理念や今後の目標についてお示ししたいと思います。
1. 略歴
1999年3月 私立開成高校卒業
2005年3月 千葉大学医学部卒業
2007年4月 倉敷中央病院 循環器内科 シニアレジデント
2010年4月 榊原記念病院 循環器内科
2012年10月 Cedars-Sinai Medical Center, Heart Institute, Faculty research fellow(米国カリフォルニア州ロサンゼルス市)
2013年10月 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科 医長
2017年4月 東京ベイ・浦安市川医療センター 心血管イメージング教育プログラム ディレクター
2019年6月 東京心臓血管・内科クリニック 院長 兼 東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管イメージング教育プログラム コンサルタント
私は千葉県市川市の生まれですが、母親が下町・森下 新大橋の出身で幼少期から母の実家(糊製造業)から徒歩数分にある人形町の街に慣れ親しむ機会に恵まれていました。また、小学校時代はSAPIXという人形町にある中学受験のための塾に通っており(第4期生)、その当時に行き来した人形町の街並みが思い出されます。私が医師を目指したきっかけは、そんな小学生 高学年時代に父親が病気を患ったことが背景にあります。どうしたら病気で困っている父を癒すことができるのかをその後も潜在的に考えてきたことで、高校生になったのちに自然と医師を志すようになりました。
大学時代はラグビー部で主将を務める機会を頂き充実した大学生活を送っていましたが、ある時大学での実習で「医師は常に先進的な医療を習得すべきであり、それを患者さんに還元して初めて努力が報われる」という言葉を掛けられ、感銘を受けたことを記憶しています。その言葉は後の医師人生に影響を与えるような大きなインパクトがありました。大学5年次(医学部は6年次まであります)にはすでに 循環器内科を希望しておりましたが、それには2つの理由があります。一つは尊敬する恩師(現、東京大学教授の小室一成先生)が大学にいたためです。もう一つは、心臓という領域が自分にとってあまりにも奥が深かったため、一生かけて勉強する学問として張り合いがあると感じたためです。そして、当時の私の選択はきわめて正しかったと思っています。
医師になってからは、学閥関係なくトップレベルの医療を学ぶために国内外を問わず先進的な医療を行っている施設で研鑽を積みました。また、新しいハートセンター(循環器内科や心臓血管外科など科の垣根を越えた心臓血管病の治療チーム)の立ち上げに参加することもできて、心エコー部門の責任ある立場として、また教育プログラムのディレクターとして、心臓弁膜症や冠動脈疾患や心不全に対する先進的な医療の実績を数多く積むことが出来ました。また、心エコー専門医であることから、心臓血管手術やカテーテル治療の手術中の心エコー評価はもちろん心臓血管術後やカテーテル治療後の患者様に対するフォローアップ担当に自然となっておりました。
しかし、心臓血管病で困っている様々な患者様を目の当たりにすると、今の社会として「患者様 本位の正しく誠実な医療」が実践されていないことを痛感する機会が多くありました。そこで、当クリニックでは心エコー検査を診療の柱とするとともに、「患者様 本位の正しく誠実な医療」を実践して地域の人々や社会全体に役立ちたいと考え、ここ人形町でクリニックを開業することに致しました。
2. 当クリニックの開業理念
〇 ミッション(使命)
患者様 本位の正しく誠実な医療を実践する
〇 ビジョン(未来像)
クリニックに関わる人の幸せを追求し、日本および地域の発展に貢献する
〇 バリュー(行動指針)
1. 正直・誠実に行動し、礼節を忘れないこと
2 .クリニックに関わるすべての人を大切にすること
3 .常に創意工夫を心掛け成長する気持ちを持つこと
当クリニックの使命はシンプルです。「患者様 本位の正しく誠実な医療を実践」したいということです。ここには、患者様の来院目的を正確に理解すること、何をすれば問題解決となるかを正しく論理的に考察すること、そのために必要な精査をするために十分な検査を行いますが、患者様の不利益となるような不要な治療をしないことを誓います。
当クリニックに関わる患者様が幸せになれるように努力することは当然ですが、関わって頂く他のクリニックや病院や業者の方々にとっても幸せになって頂けるような存在になりたいと思っています。そして、将来は日本に貢献することができるクリニックになりたいと思っています。そのためには、まずは人形町の地でみなさまに愛されるクリニックでありたいと思っています。
そして、そのために我々がすべきことは、正直・誠実であること、クリニックに関わるすべての人を思いやる気持ち、常に創意工夫を忘れないことであると思っています。これらは常に念頭に置いて診療にあたっていきたいと思っております。
3. 当クリニックの目標
当クリニックの目標は、心エコークリニックとして新しいロールモデルをつくり、そして新しい医療のスキームを生み出すことです。さらには、このコンセプトを全国に広げていくことです。
心エコー検査とは心臓血管病(循環器疾患)の評価や診断をするうえで絶対になくてはならない検査の一つです。とくに心臓弁膜症や心臓血管術後・カテーテル治療後の患者さんには必須となります。つまり、医療施設における心エコー検査の質が、その施設の循環器医療の質を表すことになります。
このコンセプトをもった心エコークリニックをつくることはそう簡単ではありません。まず、心エコーの質を担保するためにはクリニックの常勤医師が超音波専門医[循環器領域]である必要があるからです。私はその資格を持ちますが、循環器クリニックでこの資格を持つ医師は決して多くありません。次に、私たちの理念を共有する質の高い臨床検査技師が必要だからです。クリニックで心エコーを専門とした臨床検査技師を複数名抱えることは一般的には困難です。最後に、先進的な心エコー機や負荷装置および解析装置を導入する必要があるからです。医師、技師、心エコー装置がすべてそろって初めて質の維持された心エコークリニックとして成り立ちます。私たちは、心エコークリニックのロールモデルとなれるように、今後もこれらを全て満たす循環器クリニックとして診療を行い続けていく所存です。
今後とも何卒宜しくお願い致します。
文責:柴山 謙太郎