健診で「心雑音」といわれた方へ

  • 2024.07.05

こんにちは、看護師の堀井です。健康診断が増えてくるシーズンとなりました。

当院でも健康診断で「心雑音」と言われて来院される方は少なくありません。初めて指摘された方から毎回指摘される方まで様々です。どんな原因で起こるのか、受診をしたほうが良いのか、どんな検査をするのか、など不安なこともあると思いますので少しでもお役に立てれば幸いです。


心雑音って何?

心臓からは「どっくん、どっくん」と拍動の音が聞こえますね。この音は心臓の中で血液が一方通行で流れるように、心臓の中にある弁(とびらのようなもの)が働いている音です。正常で、ほとんどの場合は血液の流れる音は聞こえません。

心雑音にも種類がある

「心雑音」は実は様々な種類があります。種類は大きく分けて①収縮期雑音 ②拡張期雑音 ③連続性雑音の3つに分類され、音のタイミングやパターンなどでさらに細かく分かれます。ですから、心雑音の聴診は専門性の必要な分野といえます。

心雑音の原因も様々で、心臓の弁の問題・心臓の筋肉の厚みや血液の通り道の問題・貧血や甲状腺機能といった別の疾患が原因の場合もあります。また、雑音はあるものの心臓に異常はない「無害性心雑音」もあります。

心雑音の種類によっておおまかな原因を推測することができることもありますが、適した詳しい検査をすることでその原因を明確にすることは必要です。まずは循環器専門医を受診し、心雑音の有無の再確認と判別をしてもらいましょう。

心雑音に適した検査は、心臓超音波検査(心エコー)!

心雑音の原因を調べる検査は、心臓超音波検査(心エコー)が最も有用です。

心エコーってどんなことをするの?痛みはある?

心エコー検査は、プロープとよばれる超音波を発生させる機械を胸の上からあてるだけで行える検査です。衣服や下着は外した状態で、胸にジェルを塗って行います。妊娠中のお腹にあてて赤ちゃんをみているエコーを胸にあてているイメージです。赤ちゃんへの影響がないように体への害がなく安全な検査で、痛みもありません。

心臓の動きをよく見るために、時々深呼吸や息止めの指示をさせていただくことがあります。

心エコー検査でわかることは?

心エコー検査では、心臓の構造物の形(大きさ・圧みなど)・動き・心臓の中の血液の流れやその速さをその場で観察することがきます。

実際に画像でそれらを観察することで、心雑音を発生させている原因を探ることができます。

当院での心エコー検査

当院での心エコー検査は、経験豊富な臨床検査技師・超音波検査士によりおこなっています。

検査実施者は全員女性です。また、画像をみて診断する医師も経験豊富な循環器専門医でおこなっています。

心雑音の聴取・心エコー検査どちらも、音を聞いたり画像をとったりそれを診て診断をしたりと専門性が高く、豊富な経験が必要な検査です。

「症状がないから」と放置せず、気軽に循環器外来へご相談ください。

監修:柴山 謙太郎

PAGE TOP